新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書

令和2年5月21日 
自由民主党愛知県藤員団 
新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書 
 
本県は、多くの関係者のご協力をいただきながら、新型コロナウイルスの感染拡大防止に官民挙げて取り組んできた。その結果、感染者数は減少し、去る14日には、緊急事態宣言の対象都道府県から解除されるまでに状況が回復したところである。 
 
しかしながら、今後、感染拡大の第2波、第3波も危惧される中、更なる感染拡大防止に取り組んでいく必要がある。また、これまでの自粛生活の負の影響が、今後顕著に現れてくることが危惧されるため、疲弊した経済の立て直しや学校教育の遅れなどを始めとした、社会生活のケアにも全力で取り組んでいかなくてはならない。国の提唱する「新しい生活様式」のもと、感染拡大防止と併せて、経済活動も回していくための施策をしっかりと展開することが求められる。 
 
自由民主党愛知県議員団では、今年度に入ってから3回にわたり 知事に対し要望を行うとともに、対策チームを立ち上げ、地域の切実な声を集約する取組を進めてきた。今回は、団員を通じ県内市町 村からいただいた意見を別添のとおり取りまとめたところである。 趣旨をお汲みいただき、迅速かつ的確な対応をされることを強く要撃する。 

1. 感染拡大防止と医療提供体制の強化
(1) マスク・消毒液等の供給不足への対応 
・ 医療機関、介護施設や学校、学童保育施設、高齢者福祉施設等、それぞれに必要なマスク・フェイスシールド等の防護服や消容液、非接触型体温計等の感染防止資材の安定的な確保・配布や不足に対する支援
・ 感染防止資材の品質の確保
・ 新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療機関、保健所や救急医療機関への感染防止資材の供給スキーム及び感染防止資材の増産体制の確立
・ 国から県に配布される感染防止資材の在庫についてEMIS(広域災害救急医療情報システム)等を活用したタイムリーな在庫状況把握の実施
・ 児露及び生徒、教職員に対するマスクの無料配布の増大消防へのマスク、手袋等の感染防止資材の供給一般廃棄物処理業者
・搬送業者等へのマスク等の感染防止姿材の提供 
 
(2) 検査体制の強化と感染の早期発見 
・ 早期の収束に向けた検査体制の更なる強化及びPCR検査基準の緩和
・ 患者搬送等に携わる者や保育や救急隊員等のうち感染疑いのある職員や介助者らが優先的にPCR検査を受けられる体制の整備 
 
(3) 医療提供体制の強化 
・ 治療薬やワクチンの早急な開発 
・ 発熱者外来や感染症専門外来の設置に対する財政的支援
・ 公立病院を含めた医療機関への経営支援
・ 陰圧病室への改修支援、医療機関による専門医療機器の導入や人材の確保に要する補助などの支援措曜 
・ 公立病院への感染症専門医師の増員、最前線で働く医療従事者への手当の支給かかりつけ医が発熱患者を診察した場合の診療報酬加算感染症病床を有する指定医療機関の充実強化、保健所の体制強化を実施した上での公立
・ 公的医療機関の統合再編の検討 
 
(4) 県民への啓発と不安解消 
・ 相談窓口、コールセンターの拡充 
・ 保育所等での新型コロナウイルス感染症対策に係る費用への補助
・ 多言語によるハンドブックの作成
・ 配布等、あらゆる人に向けた基本的な情報発信
・ 地域包括支援センターや居宅介護支援事業所職員の家庭訪問時の感染防止マニュアルの作成
・ チャットボットを利用した統一的な自動応答システムの設置等、相談窓口の充実
 
2. 県民生活への支援強化 
(1) 世帯収入減少に対する生計支援 
・ 「子育て世帯への臨時特別給付金給付事業補助金」の速やかな交付 
・ 一時生活支援事業における市町村負担分の全額国庫負担 
・ 生活困窮者自立相談支援事業の国庫負担率の引上げ及び国庫負担基準額の増額
・ 住居確保給付金における市町村負担分の全額国庫負担
・ 解雇や履い止め、探用内定の取消しになった方に対する当面の服用の場を確保する 
ための施策の実施及びそのための財政措置
・ 児童手当上乗せによる臨時給付事業の継続 
・ 保育料
・ 副食費の利用者負担の当面無償化
・ 市町村独自の経済的支援における生活保護者の収入認定からの除外の統一見解 
 
(2) 学校等の臨時休業等に伴う対応 
・ 全国統一の教育水準の維持が図られるよう、学校の再開時期に応じたモデルスケジミュールや修式の実施基準など、義務教育を行うに当たっての指針の作成 
・ ICTの活用による学習支援の仕組みの構築など、子どもたちの学習機会の確保や学習進度の遅れに対する早急な対策
・ ICT環境に必要となる家庭での環境を就学援助の対象項目へ追加
・ GIGAスクール構想の加速化など、オンライン教育を推進するための環境避備やオンライン鞍育を活用した学習支援 
・ GIGAスクール構想実現後における通信費を含めた支援及び財政措置の継続
・ 教員の加配対応及び学校支援員等の人件費の補助
・ 家庭学習のための数材費や郵送費等の環境整備の支援
・ 年間カリキュラムの内容
・ 時間数の締選や授業の進め方等の明示
・ 夏季授業実施における熱中症対策等の対策費用の補助 
・ 給付型奨学金の拡充、資格取得費用の補助等、学生が学び続けられる環境整備
・ 学校給食費の無償化
・ 学校給食再開に向けた事業者への必要な支援と4月以降の学校給食食材等に係る損失や処分に伴う費用の補償
・ 保育園・放碑後児意クラブへの支援や利用料への支援の拡充、利用料減額措聞に対する交付金措度 
・ 看護専門学校(看礎師養成所)の遠隔授業等を行うためのICT環境整備への補助
・ 学校設置者が雇用する会計年度任用職員や給食配送の委託契約従業員に対する貸金保障など、持続化給付金の対象とならない者への休業補償
・ 中学校の体育館で実施する「換気の悪い密閉空間を解消するための換気扇の設関工事」の学校施設環境改善交付金の交付対象への追加
・ 中学3年生の学習範囲の一部を試験範囲から除外する等、共通方針の明示 
・ 2021年に実施予定の大学入学共通テストについての情報の早期提供
・ 9月新年度スタートも視野に入れた学校教育の対応 
 
(3) 感染拡大防止期における災害発生時への備え 
・ マスク、アルコール消薄液等の感染防止資材の備蓄に対する財政的支援
 
3. 事業者等への経済的支援の強化 
(1)緊急事態宣言延長に伴う休業要弱事業者等への支援 
・ 休業要職に伴う休業補償制度の確立 
・ 全額国の負担で実施することを基本とする緊急経済対策の実施
・ 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に係る支援対象の拡大と支援の増額
・ 休業要請対象外事業者の自主休業に対する支援制度の確立
・ 休業要請の延長に係る協力金の予算措置
・ 休業要請に係る協力金の全額国費負担
・ 休業要請に係る協力金の申銷業務の簡源化
・ 電子化のための体制の特築
・ 休業した公施設の指定管理者への休業補償に係る財源措置
・ 休業等の事業者に対しての更なる支援 
 
(2) 事業継続支援と活路を見出す新たな取組への支援 
・ 雇用・賃料・光熱水費等の固定費に対する支援
・ 小規模事業者への現金給付の実施等、中小企業の個別の事情に応じた支援麗用調整助成金の申翻手続の簡素化及び相談
・ 審査体制の強化による早期支給
・ 中小企業等に対する融資に係る保証料の全額補助、実寅無利子化、償還猶予、追加融資等の支援策の拡充 
・ 持続化給付金の支援対象の拡大、売上減少率の緩和及び早期給付
・ 持統化給付金についての申職サポート会場の早期開設 
・ 運転資金等の短期間での貸付実施及び借入資金等の返済の猶予制度の創設
・ 障害者・障答児福祉サービスや放課後等デイサービスに係る支援
・ 飲食業や宿泊業、旅客運輸業、陶芸家を始めとするアーティスト等、収入が著しく減少した業領に対する継続的な支援 
・ 農業に対する長期的な経済的支援
・ 花き農家への波収支援及び現状回復後の販売促進支援
・ 高収益作物次期作支援交付金の実態に見合った補助額への見直し
・ 魚介類の流通促進及び消費の拡大のための支援
・ ものづくり産業への支援
・ 芸術文化・スポーツ団体等に対する支援 地域公共交通の運行事業者に対する支援 
・ 国・県支援策に対する滞納処分の取扱いの明確化
・ 介護、救急関係者並びに葬儀社等への感染対策費用の措置
・ 国民生活に必要不可欠なものとしてとして休業要時の対象外となっている業種・事業者に対する経済的支援 
・ 利用者が激減している通所介護サービス事業所、通所支援事業所に対する財政措置
 
4. 地方財政への支援
・ 追加補正予算、第2弾の特別定額給付金など弾力的かつ十分な財政措慢の迅速な実施 
・ 感染症対策による影響額に対する交付税によらない財政支援 
・ 市町村の資金に不足が生ずることのないよう必要に応じた概算交付の実施
・ 地方創生臨時交付金をはじめとした国の支援策における具体策の明示、市町村への交付金の早期交付及び事務負担軽減についての配慮 
・ 自治体が要する国レベルでの感染予防、拡大防止に関する経費の全額負担
・ 自治体が実施する様々な感染拡大防止対策や経済対策への継続的な財政支援
・ 地方税減収分の地方交付税の増額による令和3年度以降の一般財源総額の確保 
・令和2年度末期限の緊急防災・減災事業及び緊急自然災害防止対策事業、令和3年度 末期限の公共施設等適正管理推進事業、それぞれの地方償の対象期間の延長
・ 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の更なる拡充と制度の柔軟化、 交付の手続きの簡素化と柔軟な審査の実施、交付限度額と係数等の計算方法の明示
・ 今年度中に国の補助等を受けて実施するすべての事業に関する繰越等の容認など、柔軟な対応の実施
・ 納税猶予制度により歳入が1年遅れることへの財源措強
・ 上水道及び下水道事業者がコロナウイルス感染症対策の観点から実施し、出資に要した経費の地方公営企業繰出金における繰出基準の項目への追加
・ 学校施設環境改善交付金による小学校の長寿命化改良工事における国による特別の措置、事故繰越の容認及びその手続の簡素化
・ ウイルス対策のためにモーターボート競争事業会計から一般会計へ拠出した額について、地方公共団体金融機締納付金の算定からの除外
・ 学校臨時休業補助金制度に係る申時の簡略化等、柔軟で幅広い運用の検討
・ 市町村国保財政における保険税(料)の減免への財政支援、財源の確保、国民健康保険財政健全化の方針の見直し
・ 地方税や各種使用料等の徴収猶予及び減免と減免に係る様式や基準の早期制定
・ 公共施設の休館等によって生じる歳入の減少などの自治体の損失に対する財政措覆
・ 感染症への対策や落ち込んだ経済を活性化するための対策に係る事業費について、地方財政法の地方の特例に加え、地方債の対象への追加や元利償還金の基準財政需要額 への算入
・ 事業所税に対する「中小事業者等が所有する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置」と同様の軽減措置及び市の減収額の全額国費補填
・ 上水道および下水道基本料金の減免を実施する場合の地方交付税対象への追加
・ 減収に伴う納税猶予の特例に係る特例債の発行手続きの早期の実施
・ 下水道使用料の支払猶予に対する補填層
・ 感染者を発生させない自治体の努力も考慮した上での臨時交付金の配分
・ 地方税の減収に対する減収補てん措置 
・ 財政力に関わらず同一の補助率による公共事業に係る国庫補助金、交付金の交付 
・ 幼児教育保育無償化等の社会保障の充実に係る財源不足への交付金等の措置
 
5. 事態収束後を見据えた対策 
・ 感染症収東後の実効性・具体性のある景気回復策の経済対策の早期実現 
・ 幅広い用途の経済施策や地域振興施策に利用できる複数年度にわたる国庫補助住民主体型サービスの中止・開催についての具体的な指針の提示
・ プレミアム付商品券の発行事業やキャッシュレス・ポイント還元事業の拡充
・ 各種施策の相談窓口の明確化、労働力の確保、事業者の収入保険制度の充実など、将来に向けた取組の検討 
 
6. その他 
・ 納税猶予制度等についてRPAを前提とした書式の提示 
・ マイナンバーカードの活用拡大や交付・電子証明書の更新が滞りなくできるようなシ 
ステムの性能改善と増強
・ 図書館・美術館・博物館に係る開館基準・方法などの統一的なガイドラインの策定 
・ 新型コロナウイルス感染症への対応に係る要介護認定の臨時的な取扱いの対象への
外出自蘭の場合の追加
・ 令和2年国勢調査の延期又は全世帯への郵送やオンラインでの調査などの調査方法の変更
・ 緊急事態宣言下における選挙執行の延期のための公職選挙法の改正
・ 緊急事態宣言下で選挙を行わざるを得ない場合において選挙執行の必要性についての情報発信、人が集まる各候補者の選挙活動を極力自粛するような環境整備
・ 地方公共団体が統一的にテレワークやオンライン会談ができる体制を携築するため の資機材等への補助金交付、セキュリティ対策を締じたテレワークシステムの構築及び専門家の派遣など相談体制の充実
・ パーテーションやサテライトオフィスの設置など市役所等の感染防止に要する費用に対する財政措徴
・ 特別定額給付金の市に対する詳細な説明及び早期の支給を煽るような発表の自制
・ 各績給付金等の申締替や送付文密についての多言語化対応
・ 市町村国民健康保険に係る国の保険者努力支援制度の評価項目見返し又は一時停止
・ 災害対応に万全を期し、国土強靭化へとつながるよう、関係する財政支援の充実
・ 固定資産税の家屋評価に係る現場調査ができず、所有者から図面の借用が困難な場合における当該家屋の設計
・ 建築業者からの図面の提供 
・ 法律で禁止されている一般廃棄物処理の再委託の特例の検討 
・ 生活保障・教育・経済対策に係る対応が全国一律となるような制度設計
・ 旅券の受取り期日の延長及び感染拡大終息後の受取りの猶予

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