◯十二番(須崎かん君) 私は、第五款環境費第二項自然環境費のうち、あいち自然環境保全戦略費に関連して伺います。また、この事業に関連して、自然環境保全条例の一部改正案も提案されておりますので、あわせて伺います。
私たちの身の回りには、さまざまな生き物が生息、生育しており、地球上では、現在確認されているだけでも約百七十五万種がいると言われています。私たちは、こうした多様な野生生物から食べ物や木材、医薬品などを得ているほか、レクリエーションの場としての利用、あるいは自然が織りなす地域色豊かな文化や風土など多くの恩恵を受けています。
このように、多様な生物が存在する自然豊かな地球でありますが、一方で、これまで人類が経験したことのないスピードで生物が絶滅していると言われております。
国内に目を移しますと、我が国は、先進国の中でも自然豊かな国の一つでありますが、生息、生育が確認されている野生生物のうち約五%が絶滅のおそれがあるとされており、その割合は徐々に増加しているとのことです。
一方、本県では、製造品出荷額等が三十年連続日本一の産業県であり、農業も盛んな県でありますが、県土の約三分の一を森林が占め、都市の近くには、シデコブシ等のこの地域固有の植物が生育する里山が広がり、湿原や生き物の揺りかごと言われる干潟が各地に見られるなど、自然豊かな地域でもあります。
しかしながら、本県が昨年十一月に希少な野生動植物に関する第二次レッドリスト案を取りまとめたところでありますが、これによりますと、コノハズク等の絶滅のおそれのある種がふえるなど、国と同様の傾向が見られております。
こうした中、国においては、野生生物の生息地の保全や種の保護を図るため、自然環境保全法や種の保存法等による保全対策を進めているところであります。また、昨年十一月には、生物多様性の保全のための施策を具体的に定めた第三次生物多様性国家戦略が策定され、国や自治体、NPO等各主体の取り組み方針が示されたところであります。
本県においても、各種施策が進められておりまして、昨年は、鳥獣保護法に基づき、蒲郡市形原の海岸地先を鳥獣保護区に指定したほか、一昨年には、県条例により、海上の森を自然環境保全地域に指定したなど、貴重な自然環境を私たちの共通の財産として将来にわたって保全しようとする施策が進められております。
このように、国や県では、これまでさまざまな施策が講じられてきておりますが、大都市圏を有する本県が豊かで多様な生態系を維持するためには、これまでにも増してきめ細かな施策の展開が必要であり、特に希少種となっている動植物については、その保護に向けてより一歩踏み込んだ対策を講ずる必要があると考えます。
そこでお尋ねします。
今議会に、希少野生動植物の保護制度の創設等を盛り込んだ自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例の改正案が上程されております。これは、今私が申し上げた趣旨から大変時宜を得た取り組みと思いますが、条例改正の背景と主な改正の内容はどのようなものなのか、伺います。
次に、改正内容のうち、喫緊の課題となっている希少野生動植物の保護制度の具体的内容はどのようなものなのか、お伺いします。また、効果的に保護を進めるためには、実態をきちんと把握するなどしておくことが重要かと思いますが、この制度を具体化するあいち自然環境保全戦略費において、今後どのように進めていかれるのか、あわせてお伺いします。
以上、質問を終わります。
◯環境部長(林清比古君) あいち自然環境保全戦略費に関連して御質問をいただきました。まず、今回上程している自然環境保全条例の改正について、その背景と改正の内容についてでございます。
条例改正の背景についてでございますが、この条例は、昭和四十八年に高度経済成長期の乱開発から自然環境を保護することを目的に、自然環境保全地域の指定、大規模な宅地の造成等の規制、緑化の推進の三つを施策の柱として制定し、本県の自然環境の保全に一定の役割を果たしてまいりました。
条例制定後三十年が経過し、その間の都市化の進展などにより、本県の希少野生動植物の減少や、外部からの移入種による生態系への影響が顕在化するようになってまいりました。従来からの制度をいま一度見直し、さらに多様な動植物が生息、生育する環境を一体としてとらえる生物多様性の保全に向けた取り組みが重要になってまいりました。
こうしたことから、昨年三月でございますが、県環境審議会からいただいた愛知県における今後の自然環境保全施策の基本的な方向についての答申を踏まえ、このたび、条例改正を本議会に提案させていただいたものでございます。
改正の主な内容でございますが、第一に、生物多様性の保全を条例の基本理念として位置づけ、第二に、多様な生物の生息・生育空間のつながりを確保する生態系ネットワークの形成や希少野生動植物の保護、自発的な自然環境の保全に関する活動の促進などの新たな施策項目を追加するものでございます。
次に、希少となりつつある野生動植物種の保護制度の内容と進め方についてお答えいたします。
まず、今回条例で提案しております保護制度の内容でございますが、一つには、例えばアカウミガメなど保護を図る必要のある本県の希少な生物種を指定し、その捕獲や採取を規制するものでございます。二つには、それらの種のうち、特に生息・生育地の保全を必要とするものについて、工作物の設置や立ち入りなどの規制を行う保護区を設定するというものでございます。
そこで、あいち自然環境保全戦略費における事業の進め方でございますが、動植物の専門家や自然保護団体などの方で構成する検討会を設置いたしまして、助言をいただきながら、保護対象の候補となる希少種の生息・生育状況や土地利用状況などの調査を進めまして、同時に、関係市町村や利害関係者の方々の御意見もいただき、対象種の指定と保護区の設定を行っていくことといたしております。
いずれにいたしましても、県内の豊かな生物多様性を保全していくためには、希少種の保護はもとより、生物が生息、生育する環境を一体として保全することが重要でありますので、今後とも、総合的な自然環境保全施策を進めてまいります。
以上でございます。
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