◯十二番(須崎かん君) 名古屋市天白区選出の須崎かんでございます。通告に従いまして、少子化対策について及び河川整備と川づくりについて、順次質問をさせていただきます。
まず初めに、少子化対策についてお伺いいたします。
我が国におきましては、本格的な人口減少社会に入ったと言われておりますが、その大きな要因の一つとして、少子化の急速な進行にあります。
少子化は、今後も引き続き進行することが予測されておりますが、経済成長の鈍化、社会保障制度における現役世代の負担の増大、子供が自主性や社会性を身につける機会の減少、さらには社会の活力の低下など、地域社会全体に大きな影響を及ぼす問題であります。
こうした中、国におきましては、平成十五年七月に少子化社会対策基本法及び次世代育成支援対策推進法を制定し、国を挙げて少子化対策に取り組まれてきているところであります。
また、昨年の六月には、より積極的に少子化対策に取り組むため、政府与党の合意を踏まえて、内閣総理大臣を会長とする少子化社会対策会議におきまして、新しい少子化対策についてが決定されております。さらに、現在、年内の取りまとめを目標に、子どもと家族を応援する日本重点戦略が検討されていると伺っております。
このうち、昨年の六月にまとめられました新しい少子化対策については、主に子供の成長に応じつつ、総合的に子育て支援を講じること及び働き方を改革することが必要であるとの基本的な認識に立ち、各種の施策を推進することとしております。これに加えまして、家族、地域のきずなを再生することや、社会全体で子供や命を大切にするという意識を共有するための国民運動を展開するといった内容となっております。
少子化が進行している中で、子供たちが兄弟で遊ぶ機会や近所の異なる年齢の子供同士で遊ぶことが少なくなっています。また、都市化の進展や生活様式の変化に伴い、かつてのように外で遊べる場所も少なくなり、家の中に閉じこもって、テレビやゲームに没頭するという状況から、人との交わりを持つ機会も少なくなってきています。
さらに、家庭においては、不安感を抱えたままの子育てが行われ、基本的な生活習慣や規範意識などを身につけさせることができないなど、家庭の教育力の低下が言われるとともに、地域においては、人間関係の希薄などから、大人がよその子供をしからなくなったなど、地域の教育力の低下が言われています。
少子化対策といいますと、不妊治療に対する助成のような妊娠の時期から、保育対策のような小学校就学前までの施策が中心となっていると認識しております。しかしながら、もう少し上の年代、すなわち小学生の時期につきましても、当然必要な施策を実施していかなくてはなりません。
そこで、さきに述べました成長段階に応じた子育て支援策が示されております新しい少子化対策についての中の小学生期を見てまいりますと、放課後子どもプランの推進が盛り込まれております。
これは、従来から実施されている児童健全育成対策に加えまして、教職を目指す大学生や退職教員等の地域の大人の協力を得て、学ぶ意欲のある子供たちに対する学習機会の提供を含むさまざまな活動の機会を提供するというもので、この事業の推進を大いに期待しております。
そこで、私は、平成十九年度から総合的な放課後対策事業として放課後子どもプランが開始されておりますので、この放課後子どもプランについてお伺いしたいと思います。
放課後子どもプランは、文部科学省所管の放課後子ども教室推進事業と厚生労働省所管の放課後児童健全育成事業を一体的または連携して行う総合的な放課後対策として実施されることになったものと考えております。
文部科学省所管の事業は、地域の方々の参画を得て、勉強やスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動等の取り組みを行う社会教育活動の一環であります。
厚生労働省所管の事業は、共働き家庭の児童に対して、放課後に適切な遊びや生活の場を提供するという児童福祉に着目した事業であり、この二つの事業は、各市町村におきまして、教育委員会が主導して福祉部局と連携を図り、原則としてすべての小学校区で行う施策であると承知しております。
この放課後子どもプランの中で、多くの子供たちが地域の方々との触れ合いやきずなを深めることにより、社会の基本的なモラル、他人を思いやる心をはぐくむことが期待できるものであります。
また、地域全体で子供を育てることにより、保護者が安心して子供を産み育て、就労が促進されることが期待できるものであり、まさに時宜を得た施策であると思われます。
そこで、まず、放課後子どもプランを構成する二つの事業の連携方策につきましてどのように取り組まれているのか、教育長にお伺いします。
また、二つの事業の実施状況はどのようになっているのかにつきまして、教育長及び健康福祉部長にお尋ねします。
そして、そのうちの放課後児童健全育成事業につきましては、昭和五十一年度から実施されている事業でありまして、制度創設以来随分経過していますが、まだまだ各地域における放課後児童クラブ設置ニーズには高いものがあります。また、既存の放課後児童クラブにおいては、希望者を多く受け入れ、大規模化しているところも多くなってきております。
こうした中、現在、厚生労働省におきましては、放課後児童クラブの質を確保する観点から放課後児童クラブガイドラインを作成中とのことであり、ことし中にはでき上がると伺っております。
そこで、厚生労働省が設置基準ではなくガイドライン策定に至った経緯と、ガイドライン策定後における本県としての対応につきまして、健康福祉部長にお尋ねいたします。
質問の第二は、河川整備と川づくりについてお伺いいたします。
まず初めは、私の地元であります天白川の整備についてであります。
平成十二年九月の東海豪雨におきましては、年間降雨量の約三分の一にも及ぶ五百六十七ミリの降雨を一日で記録する、まさに未曾有の降雨となり、県下での浸水戸数が六万棟を超えるという、この地域としては昭和三十四年の伊勢湾台風以来の大水害となりました。県下全域で大きな被害を受けたことはいまだ記憶に新しいところであります。
名古屋市内を流れる天白川におきましても、天白川水位観測所において観測史上最高の水位を記録し、堤防がいつ決壊してもおかしくないような状況が約九時間も続いたと聞いております。
こうした状況の中、流域内の瑞穂区、南区、緑区、そして天白区の四区で、浸水面積は約一千ヘクタールに及び、浸水戸数は約八千二百戸、被害総額は約三千五百億円にも上り、この地域に大きなつめ跡を残しました。
この水害を契機として、再び東海豪雨と同様な降雨があっても、洪水を安全に流し、浸水被害を最小限にとどめるための改修事業が被災直後の平成十二年度から天白川のいわゆる激特事業として着手されました。この事業におきましては、天白川を横断する名古屋市内の国道一号を初め、重要幹線道路の四橋梁を改築しながら、約七・六キロメートル余りにわたって河川断面を大幅に拡大する大規模な改修工事が実施され、平成十六年度に事業が完了いたしました。
天白川は、人口、資産の集積する名古屋市を流域とする大変重要な河川であり、この事業の完成が沿川地域の安全に大きく貢献するものと確信しております。
しかしながら、天白川流域におきまして、その七割弱を占める名古屋市内は、ほぼ全域で市街地化が進み、日進市を初めとする上流域については、住宅開発を主とする土地区画整理事業が急速に展開されております。
さらに、二〇〇五年愛・地球博を契機に、東部丘陵線などの交通網が整備され、利便性の向上が図られたこともあり、上流域での住宅開発などがさらに進むことが予想され、市街化に伴う天白川への流出量の増加が懸念されるところであります。
しかも、天白川におきましては、激特事業により、平子橋上流にある弥富ポンプ所から下流につきましては、洪水に対する安全度は飛躍的に高まりましたが、いまだその上流の改修は不十分であります。
天井川の解消、堤防の強化などの河川改修とあわせて、開発により増加する流出量につきましては、直接川に流出しないように一時的にためておくような、いわゆる総合的な治水対策が必要であると思います。
流域の洪水に対する安全を確保し、地域住民が安心して暮らすことのできる社会を一日も早く実現するためには、天白川の改修事業を推進するとともに、流域での対策を含めた総合的な治水対策を展開することがぜひとも必要であります。
そこでお伺いします。
まず、これからの天白川の改修に対する県のお考えをお示し願いたいと存じます。また、天白川流域における総合的な治水対策をどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。
次に、天白川改修における自然環境への配慮と親水整備についてお伺いいたします。
激特事業の改修工事では、川幅は広がり、川底や洪水の際の水位が三メートルも低くなりました。浸水に対する安全度が格段に向上したのと引きかえに、河川の環境にとりましては、大きな改変を伴った工事となったことは申すまでもありません。
一つの例としましては、川底が下がったことにより、海水が中流部まで上がるようになるなど、川の流れの様子が一変しています。今後、中流から上流にかけての改修が進められていくとすれば、ますます自然環境の豊かな区域に入っていくことになります。このあたりでは、水際には緑が豊富で、川底の様子もさまざまであり、種々の魚や水生生物の生息も見られます。
また、一方で、天白川には緑地として散策路やサイクリングロードが整備され、市民に貴重なオープンスペースを与えている場所もあります。さらに、河川愛護団体などの活動が活発で、河川の美化にも貢献しております。
このため、改修工事を進めるためには、動植物の生息・生育環境を守っていくことはもとより、市民が河川とふれ合う場の整備が求められてきます。
そこで、天白川の整備に際しまして、自然環境への配慮や親水整備をどのような方針のもとに進めていく考えであるか、お伺いします。
最後に、身近な自然をテーマとした環境学習についてお伺いいたします。
自然環境に配慮した川づくりが進められることにより、河川の生物の生育・生息環境が改善され、ヨシなどの水生生物やトンボ、コイ、フナなどいろいろな生物が見られる水辺環境の創出が期待できます。
私の地元の天白川を例にいたしますと、周辺では宅地化が進んでいますが、川の周りにはまだ自然が豊かな場所が残されており、都市域における緑の豊かな地域となっています。水辺には四季折々の草花や多種多様な魚や昆虫なども見受けられ、そうした生物をねらって、時折、サギなどの大型の鳥なども飛んでくるなど、川は多様な生態系のショーウインドーとなっています。
こうしたフィールドを利用して、地元では、子供たちも一緒になって、川遊びや生き物観察会などの催しがよく行われております。私も長年、地元の天白川で活動団体の一員として活動を続けていますが、こうした活動に参加しているときの子供たちの目は輝き、実に生き生きとした顔をしています。日ごろ、自然に接する機会の少ない都会の子供たちにとっては大変貴重な体験となります。
子供たちは、こうした自然との触れ合いを通じて、身近な環境に関心を持つようになり、また、こうした体験の中で人と自然とのかかわりを考えることによって、環境に配慮した生活を心がけるきっかけにもなると思います。
県では、環境学習推進の指針として、平成十七年一月に愛知県環境学習基本方針を策定され、本年二月には県環境調査センター内にあいち環境学習プラザを、そして、三月には愛・地球博記念公園内にもりの学舎を開設されるなど環境学習の推進に努めていますが、こうした県民の身近な自然である川辺は、環境学習の格好のフィールドとして活用できると思います。
そこで、県では、こうした川辺を初め身近な自然をフィールドとしてどのような環境学習に取り組んでおられるのか、また、今後の展開についてお伺いをいたします。
以上をもちまして、私は、少子化対策について及び河川整備と川づくりについて、順次質問をさせていただきましたが、知事初め県当局の明確な答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
◯教育長(伊藤敏雄君) 少子化対策に関しまして、放課後子どもプランについての御質問をいただきました。お答えをいたします。
初めに、放課後子どもプランを構成する二つの事業の連携方策及び放課後子ども教室推進事業の実施状況につきまして、私からお答えをいたします。
この放課後子どもプランは、地域の方々の協力を得まして、放課後や週末に子供の安全で健やかな活動場所を確保するために大変有意義なものであると考えております。
そこで、このプランを構成する放課後子ども教室推進事業及び放課後児童健全育成事業の連携方策でございますが、まず、実施主体であります市町村におきましては、教育委員会及び福祉関係部局や学校・学童保育関係者等から成る二つの事業の効果的な運営方法などを検討する運営委員会を設置するとともに、事業の円滑な実施や一体的な活動を促す役割を担うコーディネーターを配置するほか、余裕教室や児童館などの活動場所の連携の促進を図っております。
また、県教育委員会といたしましては、学識経験者、学校関係者、PTA等の社会教育関係者に加えて、児童館等の福祉関係者等で構成する推進委員会を設置し、二つの事業の効率的な運営方法、各市町村の参考となる取り組み事例の紹介、実施後の検証、評価など、県内における放課後子どもプランの総合的なあり方などを検討しているところでございます。
さらに、今後は、コーディネーターのほか、子供たちの健康や事故、事件にかかわる安全指導などを行う管理員及び遊びを通して子供たちの健全育成を図る指導員の資質向上や、情報交換を図るための研修も実施をする予定でございます。
次に、教育委員会所管の放課後子ども教室推進事業の実施状況でありますが、国から直接補助される政令市、中核市を除く五十九市町村のうち二十二市町で百十六教室が実施をされております。
教室の実施内容といたしましては、和太鼓等の伝統芸能、サッカー、武道等のスポーツ活動、予習復習等の学習活動などがございまして、地域の方々の協力を得て展開をされているところでございます。
教育委員会といたしましては、国とも連携を密にしつつ、前に述べました放課後子どもプラン推進委員会を活用して、今後ともより多くの市町村で放課後子ども教室に取り組んでいただけるよう支援してまいりたいと考えているところでございます。
◯健康福祉部長(小島通君) 放課後子どもプランについてのお尋ねのうち、健康福祉部所管の放課後児童健全育成事業についてでございます。
本年度の実施状況といたしましては、国から直接補助されます政令市、中核市を除く五十九市町村のうち五十三市町におきまして、四百七十五の児童クラブが運営されているところでございます。
次に、放課後児童クラブガイドラインについてでございます。
ガイドライン策定に至った経緯でございますが、放課後児童健全育成事業は、各地域でそれぞれの実情と自主性を踏まえて、多様な取り組みがなされているものでございまして、また、地方分権の流れもありますことから、一律の基準をつくるのはどうかということで、国におきまして、画一的な基準ではなくガイドラインの策定に至ったものと伺っております。
そして、県としての対応でございますが、このガイドラインは、質問にもございましたように、現在策定中ということでございまして、策定後におきましては、県として速やかにその内容につきまして各市町村に周知いたしますとともに、地域の実情に応じまして、できるだけ対応していただけるよう、担当課長会議等を通じて依頼してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯建設部長(湯山芳夫君) 今後の天白川の改修についてのお尋ねでございます。
天白川につきましては、河口から中流部の弥富ポンプ所までの区間について、橋梁整備の一部を除き、激特事業により河道の拡幅と堤防強化が完了しております。
現在は、弥富ポンプ所から約二キロメートル上流の植田川合流点までの区間で、河川敷の整備内容などについて地域の皆様方の御意見をお聞きしながら、具体的な改修計画を作成しております。今後は、この計画がまとまり次第、工事に着手してまいりたいと考えております。
次に、天白川流域における総合的な治水対策についてのお尋ねでございます。
天白川流域におきましては、流域面積に占める市街地面積の割合、いわゆる市街地率は、昭和四十年代は四一%でありましたが、平成十七年時点では五九%と急速に市街化が進展しております。今後も、上流域におきましてはさらに進んでいくものと思われます。
現在、天白川につきましては、河川法に基づき、今後三十年間の河川整備の内容を示す天白川水系河川整備計画の策定を進めております。この計画では、急速な市街化の進展を踏まえ、県が行う河川改修とあわせ、流域内の名古屋市、日進市が、雨水の貯留浸透施設の設置、既存のため池や洪水調整池の保全、改修、新規開発における防災調節池の設置など、雨水の流出を抑制する対策を進めることとしております。今後も、両市と密接に連携を図りながら、整備計画に基づく総合的な治水対策を推進してまいります。
最後に、天白川の整備に当たっての自然環境への配慮や親水整備についてのお尋ねでございます。
現在、策定を進めております河川整備計画の中に、良好な自然環境の保全、再生、川と人との触れ合いの場の維持、形成を目標として盛り込むこととしております。
今後、この計画を踏まえ、改修工事に当たっては関係機関と連携しつつ、水辺の植生の保全、再生、魚道の整備などの自然環境への配慮や、川へ近づく階段などの親水整備を地域の皆様方の御意見をお聞きして進めてまいります。
以上でございます。
◯環境部長(林清比古君) 川辺を初め身近な自然をフィールドとした本県の環境学習の取り組みの現状と今後の展開についてのお尋ねでございます。
環境学習をより効果的に推進するためには、河川、海岸、公園など身近な自然をフィールドとした参加型、体験型の環境学習を重視して取り組むことが肝要と考えております。
このため、本県におきましては、愛知県環境学習基本方針に基づき、環境学習を促進するために必要なプログラムづくり、人づくり、ネットワークづくりに取り組み、各種の事業を実施しているところでございます。
具体的には、海上の森などでの公募型の講座や、川や公園での環境学習指導者養成講座の開催、あるいは夏休みや毎週土曜日、日曜日に開催をいたしております自然体感ツアーなど、本県が独自に開発した環境学習プログラムを使って、インタープリターの方々などの協力を得て行っております。
また、小中学校や子供会などによる川の生き物を調べる水生生物調査や生活排水対策重点地域での水質パトロール隊などの啓発事業を例年数千人規模の参加者を得て実施しているところでございます。
さらに、昨年三月には、水質保全だけではなく水辺の保全や多様な生態系の維持などを一体としてとらえるあいち水循環再生基本構想を策定いたしましたが、その取り組みの一環として、地域で水環境の改善などに携わっている方々が集まり、みずから企画した、例えば親子などの参加による川辺のビオトープづくりなどの実践的な取り組みも進めているところでございます。
今後とも、こうした身近な自然を活用した環境学習を市町村、学校あるいは地域の活動団体などと連携、ネットワーク化を図りながら、一層充実させ、取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。